【声優の仕事】マイクワークのテクニック《新人が知っておきたい注意点とコツ》

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むんまる

こんにちは、むんまるです

声優の仕事をする上で、お芝居以外に重要と言われるテクニックの一つに、「マイクワーク」があります。

大人数での収録の場合、3~4本程度のマイクを出演者全員が入れ代わり立ち代わり、互いに譲り合いながら収録していきます。

新人のうちは、マイクへの入り方やタイミングがわからず、あたふたしてしまうことも多いと思います。

先輩たちの素早い動きについていけず、マイクに入るタイミングを逃してしまうこともしばしば…。

今回は、声優として仕事をするうえで難しい所業のひとつ、マイクワークについてお話しします。

ぜひこの記事を参考にして、マイクワークのコツをつかんでいただければと思います。

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目次

マイクワークとは

一般にはあまり聞きなじみのない言葉、「マイクワーク」。

マイクワークとは:アフレコ・アテレコをする際、スタジオで声優たちが代わる代わるマイクの前に立ち、声を収録していく動きのことを言います。

声優の仕事で使う録音スタジオの収録ブースには、一般的に、3本もしくは4本程度のマイクが設置されています。

基本的にアニメや吹き替えなどの収録は、出演者全員が同じ時間に集まって一緒に行うことがほとんどで、人数が多い場合、1つのブースに20人以上の声優が集まることもあります。

しかし通常、ブース内には数本のマイクしか設置されていません。

そのため、声優たちは「自分の担当する役の出番が来たらスッとマイク前に立って芝居をし、出番が終わったらすぐさまマイク前から離れる」という独特の動きを習得する必要があります。

しかも、マイクに雑音が乗ってしまわないよう、細心の注意を払いながら動かなければなりません。

むんまる

収録時の声優たちは皆、音を立てない忍者のような動きをしています(笑)

臨機応変に対応しなければならないことも多く、アフレコに慣れた人でも難しいのが、マイクワークです。

どのようにしてマイクワークのテクニックを習得していけば良いのか分からない方は、ぜひこの記事を参考にしていただければと思います。

マイクワークの基本

まずは、マイクワークについて、頭に入れておいてほしい基本事項をいくつかお伝えします。

基本的には、誰がどのマイクに入っても良い

スタジオには通常3~4本のマイクが設置されており、何十人の声優が入れ代わり立ち代わり数本のマイクを使って声を収録していくわけですが、指定されない限り、基本的にはどのマイクに入っても構いません。

「最初の台詞で入ったマイクにその収録中ずっと入らなければならない」ということはなく、台詞やシーンが変わるごとに入るマイクが変わっても大丈夫です。むしろ、ずっと同じマイクを選ぶ必要はないので、シーンごとや前後に喋る役の人数によって、適切なマイクを選んで入るようにしましょう。

自分の席から近い・遠いで選ぶ必要はない

また、座る位置によっても入りやすいマイクが決まってきます。

ですが、自分の席から近い・遠いで入るマイクを選ぶ必要はありません。かといって、全てのマイクが空いているのに、わざわざ不必要に遠いマイクを選ぶ必要もありません。

シーンや会話の途中でも、入るマイクが変わる可能性はある

シーンの途中で、会話に入る役の人数が増えていくことってありますよね。

作品の中の役たちも、普段の私たちが行う日常会話のように「それぞれがきっちり順番を守って喋る」なんてことはなく、会話の順番がごちゃまぜになることがほとんどです。

そのため、一つのシーンでも、会話に入る人数が変化するときは、同じマイクに入っていれば良い場合もあれば、台詞の前後関係によっては一つの台詞を喋るごとに移動して、入るマイクを変える必要が生じる場合もあります。

今、誰がどのマイクに入っているのか、今後の会話で誰が加わる/抜けるのか、誰と誰がメインで喋るのか、など、その場その場の状況を見ながら判断しなければなりません。

ここが、おそらくマイクワークの中でも最も難しいポイントとなるでしょう。

入るマイクの選び方

入るマイクが常に決まっていないとはいえ、その場の状況に合わせて臨機応変に選ぶ必要があり、最初のうちはどのマイクに入れば良いのかわからないことも多いと思います。

では実際、収録が始まって自分が喋る番になったとき、どのようにして入るマイクを選べば良いのでしょうか。

入るマイクを選ぶときのポイント

  • 掛け合いをする人・台詞が前後になる人とは別のマイクに入る
  • 自分の身長に合った高さのマイクを選ぶ
  • 主役のマイクには入らないようにする

掛け合いをする人・台詞が前後になる人とは、別のマイクに入る

どうしても他のマイクが空いていない場合以外は、掛け合い(会話)をする相手とは別のマイクに入るようにします。

「会話をする」ということは、「自分の台詞の前後に相手の台詞がある」ということになり、会話という速いスピードの中で交互にマイク前に立って収録するのは、至難の業です。

可能な限りそれぞれ別のマイクに立ち、落ち着いて演技をした方がより集中して相手の台詞を聴くことができます。

そのためには、自分は誰と会話するのか、また、自分の台詞の前後に喋る人がどこのマイクに入るのかなどを、自分の出番がないときでもちゃんと観察しておくことが大切です。

なるべく自分の身長に合った高さのマイクを選ぶ

収録が始まる前に、自分の身長に合う高さのマイクはどれか、見ておくことが大切です。

高さが合わないマイクに入ってしまうと、うまく声を録音できず、結局録り直しになってしまったり、音響監督さんやミキサーさんから別のマイクに移動して欲しいと指示が入ることが多々あります。

そうなってしまうと、他の共演者さんの使うマイクを変更する必要も出てきて、全体のマイクワークに影響を与えてしまうことにも繋がります。

自分に合うマイクの高さをレッスンなどで予め知っておき、現場でもなるべく自分の身長に合ったマイクを選ぶようにしましょう。

主役マイクにはなるべく入らないようにする

長く続く作品やシリーズ作品の場合、主役の人がよく使う位置のマイクは『主役専用マイク』のように認識されていることが多いです。

その場合、マイクの高さも主役の人の背に合わせて調節されていることがほとんど。

また、作品のなかで重要な役割を担う主役には、「誰よりも良い芝居をしてほしい」と誰もが思うはず。

台詞量の多い主役の人が他の役者さんと同じようにマイクワークをしていたら、芝居だけに集中できません。

主役の人がのびのびと演じやすい環境を作るために、他の人たちで空いているマイクを共有しながら収録をしているのです。

むんまる

より良い作品を作るためには、チームワークが大事ってことですね!

作品が何話か進んでいると、主役マイクやメインで喋る人たちのマイクが固定されてきていることも多いです。

初めてその作品に参加する場合は、誰がどのマイクを主に使うのか、収録前に共演者さんに確認しておくと良いでしょう。

マイクに入るタイミング

では、実際にどんなタイミングでマイクに入れば良いのでしょうか。

マイクに入る流れから見ていきます。

マイクに入る流れ

  1. 席を立って、マイク前に移動、もしくはブースの隅へ移動する
  2. 入るマイクを決め、マイクの前に立つ
  3. 自分の台詞を喋り終えたらマイクから離れ、席に戻る

席を立つタイミング

早くても、自分の台詞が始まるタイミングの30~20秒前くらいから移動するようにしましょう。

なるべく共演者さんの台詞がないタイミングを見計らって椅子から静かに立ち上がり、空いている(もしくは空きそうな)マイクの元へ向かいます。

席を立つときは、いくら注意していても衣擦れ音や足音など、音が鳴ってしまいやすいタイミングでもあります。

自分の座る位置が使いたいマイクから遠い場合は、移動できそうなタイミングを探しておき、早めにマイク近くの空きスペース(スタジオの隅や近くの空き椅子)などへ移動しておくようにしましょう。

声優は皆、なるべくシーンが移り変わる場面や誰も喋っていないタイミングを見計らって移動しています。

どうしても自分の台詞の直前に移動できるタイミングがなく、早めスタンバイが必要な場合は、狙ったマイク前へは台詞の直前まで向かわず、ブースの隅で立って待つと良いです。

ただ、スタンバイする人が多いときは、椅子はガラ空きなのにブースの隅は声優たちで大混雑、なんてこともザラです。(笑)

収録ブース内は狭いため、他の人の邪魔にならないよう、早すぎるスタンバイ(椅子からの立ち上がり)はしないようにしましょう。

マイクに入るタイミング


自分の台詞が近づいてきたら、前の人が喋り終えてマイク前から去ったタイミングで、狙っているマイクに入ります。

その際、マイクから離れる人やブース内を移動する人とぶつからないように気を付けましょう。

また、自分の入るマイクを勝手に決め付けず、同じシーンにいる他の共演者さんたちの動きも見ながら、入るマイクをその都度選ぶことも大切です。

あらかじめ、誰と一緒に喋るのか、前後に誰が喋っているのかを、台本を見ながら予習しておきましょう。

また、自分の台詞量が少ない場合で空いているマイクがないときは、他の人が使っているマイク(もちろんその人が喋っていないタイミング)にそのときだけ顔を割り込ませて喋り、喋り終えたらすぐに離れる、ということもやります。

むんまる

すべては臨機応変に…。常に気を張る必要のある、大変な仕事です。

マイクから離れるタイミング

自分の台詞が終わったら、すぐさまマイクから離れて、自分の席に戻ります。

ただ、しばらく経ってまたすぐ自分の台詞がある場合、その間に他の人が自分のマイクに入らなくてもマイクワークが上手く回りそうなときは、マイクからすぐに離れる必要がないこともあります。

ただ、そんな場合でも、マイクに雑音などが乗ってしまわないよう、使っているマイクからは少し離れた場所で待機していると良いです。

また、台本上では台詞がないからといって、そのタイミングでアドリブを入れたい役者さんがいないとも限りません。

どのマイクが今空いているのかを分かりやすく共演者さんたちに知らせるためにも、自分の喋るタイミングが近くなければ、なるべくマイクからは離れておくことが理想です。

収録の流れについては、こちらをお読みください

マイクワークの注意点・ポイント

多くのことに気を遣うマイクワークですが、以下の注意点やポイントも大切です。

マイクワークの注意点・ポイント

  • オフ台詞やガヤ音声は、無理してマイクに入らない
  • テストと本番では必ず同じマイクに入る
  • 別録りの指示をされた台詞は、本番では喋らない

オフ台詞やガヤ音声は無理してマイクに入らない

台本に自分の台詞が書いてあって、入れるマイクがあるのに入らないのはご法度なので、空いているマイクがあれば基本的には入ります。

ですが、予め別録りの指示がある台詞や明らかにガヤ音声と思われる台詞の場合、空いているマイクがなければ無理に入ることはせず、座ったままやブースの隅に立ったまま台詞を喋ることもあります。

台詞が被る場合は、テスト終了後に別録りなどの指示があるはずなので、それに従うようにしましょう。

むんまる

ディレクターさんが指示するのを忘れている場合もあるので、不安な場合は自分から尋ねることも大事です。

テストと本番では、必ず同じマイクに入る

テストで入ったマイクを台本に書きこんで忘れないようにしておき、別途指示がない場合は、テストで入ったマイクと同じマイクに本番でも入るようにします。

ミキサーさんは、声優の動きをみながら、リアルタイムでマイクごとの音量を調整しています。

テストは、声優の芝居を確認する時間でもありながら、ミキサーさんが声優の動きを把握する時間でもあります。

本番で、テストで入ったマイクとは別のものに入ってしまうと、共演者さんたちの動きに影響が出るほか、ミキサーさんにも迷惑がかかります。

最悪、収録が一時中断してしまうことにもなりかねないので、これは絶対に守るようにしましょう。

むんまる

マイクワークが複雑になればなるほど、自分がいつどのマイクに入ったかを忘れてしまうことは往々にしてあります。

マイクを移動する度に、この台詞ではこのマイク、この台詞ではあっちのマイク、と、本番の時に自分がすぐにわかるような印を必ず書いておくことをおすすめします。

別録りの指示をされた台詞は、本番ではマイクに入らず、一切喋らない

テスト終了後に、ダメ出しと同時に別録りの指示が入ります。

別録りの台詞は、自分の台詞・他の人の台詞に関わらず、全てメモを取っておきましょう。

別録りの指示をされた台詞は、本番では収録せず、そのシーンやその作品を全て録り終わってから、改めて個別に録り直します。

別録りは、他の役者さんと台詞のタイミングが被る場合や、台詞にエフェクトなどを掛ける場合などに、本線とは別で録る必要があるために指示されるものです。

本番の収録時に別録りの指示があったことを忘れてマイクに入ってしまうと周りに迷惑を掛けるので、絶対に入らないようにしましょう。

注意点は作品や監督・出演者によっても変わるので臨機応変に対応する

このほか、細かい注意点は数えきれないほどあります。

各スタジオや音響監督さん、はたまたその座組によってもベストなマイクワークは異なります。

また、当日にその場の空気を読んで臨機応変に対応することが大切なので、ケースバイケースともいえるのですが、上記のようなある程度の決まりごとはあります。

「マイクワークは慣れ」とも言われますが、決まりごとを知っているのといないのとでは、自分の心の持ちようが変わってきます。

マイクワークに慣れていないうちは、予めさまざまなケースを想像しておき、当日どんなマイクワークになっても対応できるようにしておきましょう。

マイクワークを上手くこなすコツ

マイクワークを上手くこなすには、予め台本からマイクワークを予想しておくことが大事です。

事前予習のポイント

収録前には、以下のポイントに注意して台本をよく見ておきましょう。

  • 全体の共演者の人数は何人か
  • シーン毎に喋る人数は何人か
  • 台本に別撮りマークがついているか
  • 自分のセリフの前後に喋る人の秒数を調べる
  • マイクの本数が3本の場合・4本の場合で考えておく
  • 自分の前後(特に前)3~4人の台詞の、始めと終わりのタイムをチェックしておく

基本的に、上記のことは自宅で予めチェックした上で収録当日に臨むことをおすすめします。

さらに当日、自分の出番がある直前シーンでは誰がどのマイクを使っているかを確認して、どのマイクが空きそうかを把握します。

あとは、当日の動きを見て、臨機応変に対応することがなにより大切です。

いくら自分一人で予想をしていても、他の人も同じように考えているとは限りません。

また、マイクの高さやブース内の配置、自分の座る位置などによって、全てのマイクに全員が自由に入れるとも限りません。

予想と全く変わる場合も多々あるので、勝手な決め打ちはせず、現場の状況を見ながら対応できるようにしておきましょう。

よくある質問

明らかにマイクに入れない場合はどうすれば良い?

明らかにマイクに入れない台詞があると予め分かっている場合は、収録前にディレクターさんに相談しましょう。

また、同時に何人かで同じ台詞を喋る場合などは、複数人で同じマイクを使う場合もあります。

テストのときに上手くいかなかったマイクワークは、テスト後に共演者さんやディレクターさん・ミキサーさんと相談することも大事です。

明らかにマイクに入れないのに「なんで入らなかったんだ!」と怒る人はほとんどいません。

テストはそのためのテストでもあるので、マイクに入れなかった自分を責めすぎて芝居に影響が出ないようにしましょう。

マイクに入りづらいときの所作はどうする?

自分の台詞が始まりそうなのに前の人がマイク前からなかなか退いてくれない、とか、マイクの本数に対して喋る役が多いことに気付かずマイクを独占している人がいる、ということも稀にあります。

そんなときは、さりげなく「私、このマイクに入りたいんです~」というアピールをします。

ただ、その際にも音を立ててはいけないので、静かに気付いてもらうためのテクニックが必要です。

  • 入りたいマイクに立っている人の台本を持つ手の反対側に立ち、自分の台本を前にかざしてその人の目線に入るようにする
  • (個人的にはあまり好きではないですが)肩を軽く叩いて気付いてもらう など

先輩が入っているマイクには入りづらい気持ちもわかりますが、作品に呼ばれた以上、それぞれ自分の仕事を全うする責務があります。

臆せずマイクに入っていきましょう。

むんまる

ただし、無理やり人を退かすなどの自分勝手な行為は禁物です。

マイクワークに失敗したときはどうすれば良い?

入れ替わりのタイミングで共演者さんとぶつかってしまった、という事態も起こりえます。

そんなときは、テストが終わった段階や収録が止まったタイミングで自ら謝りに行き、改善策を相談するようにしましょう。

また、入れるマイクがわからず右往左往してしまい、結局どのマイクにも入れなかった、という場合もあります。

その場合は、入れそうなマイクを使っている共演者さんの元へ行き、「このタイミングでこのマイクを使いたいのですが、入っても大丈夫でしょうか」などど伺い、本番ではマイクを確保できるようにしましょう。

また、入るマイクが決まったら、本番収録前にディレクターさんやミキサーさん、他の共演者さんたちに伝えておくことも大切です。

まとめ

たかがマイクワーク、されどマイクワーク。

マイクワーク一つで、芝居が180度変わってしまうといっても過言ではないくらい、重要なのです。

声優たちは日々、さまざまなことに気を配りながらマイクワークをこなし、かつお芝居のクオリティも落とさず最高のパフォーマンスをする、という高度な技を行っているのです。

マイクワークが気になって肝心のお芝居に集中できなくなってしまうことも多々あるため、難なくマイクワークをこなせるようになることは、声優として仕事をする上で最も大切なことの一つとも言えるのです。

むんまる

マイクワークであたふたしてしまうのは先輩・後輩関係なく皆同じ。

新人だったら緊張も相まって、余計に混乱してしまうこともあるでしょう。

あまり失敗を恐れすぎず、「みんなで一緒に良い作品を作るんだ!」という強い気持ちで収録に臨みましょう。

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